夜間飛行

アラサー女のオタク生活記録

舞台「血界戦線」感想 原作をぎゅっと凝縮しつつ技名はしっかり叫ぶ

こんにちは、まこです。

すっかり季節は秋…コートなしで外出するのが辛い季節ですね。

観劇感想!舞台血界戦線見てきました!!
11月7日(木)のマチネ回です。

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公式サイト

www.marv.jp


原作既読済み、というか今回は推しが出演しているからではなく純粋に原作が好きだから見に行ったので、いつもと若干評価ポイントが違うかもしれないです。

例のごとくネタバレ気にせず書きますのでご注意を。


全体の感想

原作の10巻までをぎゅぎゅっと2時間半にまとめました!って感じでした。
まさに忙しい人のための血界戦線
紹介するべき設定やキャラクターが多すぎて無駄な説明を入れている隙が無い、むしろ必要な説明すら削ぎ落としてない?と思うくらい怒涛の情報量で落ち着かない。原作未読で着いてこれた人いるのかな…
冒頭は『妖眼幻視行』の最初、レオがミシェーラから突然ヘルサレムズロットを訪問することを知らされるところから始まり、これまでレオが一緒に戦ってきた仲間たちとの思い出を振り返りつつ、到着した妹と一緒に現れたガミモヅに対峙、義眼保持者同士知覚外の戦いが幕を開ける…みたいな流れでした。
舞台上にドローン出てくるのはさすがに初めての体験。ソニックはパペット的ぬいぐるみ。

半分以上を占める各キャラクターの紹介エピソードが雑…というか本当に駆け足。原作の登場回をざざっとおさらいする程度で時間内に収めるには人数が多すぎた感がありますあります。ブローディ&ハマーとアリギュラのくだりはもしあれば次回に回した方が収まりが良かったかもしれないです。

こう書くとよくある2.5次元舞台そのもので面白くないんか…みたいなイメージを持たれるかもなんですが、今回は生演奏がとてもよかったです。
舞台中央奥、2階建てセットの1階部分に演奏ブースが常時設置されていて、かなりの頻度で演奏してくれます。
フルメンバーでの時もあれば、ピアノだけ、金管だけといった使い分けもされていて、曲調も世界観やイメージにとても良く合っていて素敵でした。
これが無くていつぞやのどろろ舞台みたいにアニメ主題歌挿入歌を多用!連打!してたらかなりチープな印象になっていただろうから、物凄く救われたんじゃないかと…
生で見た時の迫力は満点でしたが、反面配信や円盤で見返したときどういう印象になるかは未知数です。

あとアンサンブルの分までしっかり異界っぽい被り物だったり装飾だったりを準備してくれてたの凄く良かった…!ヴェデットさんもちゃんと触手まであるんだよ!通行人や飲み屋にいる客が明らかに人間じゃない見た目ってだけでめちゃアがる、私今血界戦線、HLの日常を垣間見てるんだ~~ってワクワクがとまらないです。そう言った意味で、世界観構築は本当にしっかりとされてて、受け取る側にもそれが感じられました。


キャラクターについて

ほぼ皆、事前に公開されてたビジュアル以上に仕上がってて良かったです!


特にレオが良かった~~、アクションも長台詞も文句なく主人公としてちゃんとそこにいてくれることへの安心感がすごい。
義眼どうするのかなーと思ったら照明効果+ゴーグル光らせてました、なるほどな。
身長的なサイズ感からも百瀬さんがレオでぴったりでした。ハローミシェーラの落ち着いた発音が好き。

 

クラウス・ギルベルトコンビは原作再現度の高さが尋常じゃない
クラウスといえばあの大きな体…日本人男性には無理だろ…と思っていましたが舞台上で見ればかなりの存在感!なるほど紳士!!
血闘術シーンに合わせ背景に技名がばばばーと出てくるの、派手なモーション付きで実際生で見ると滾ります(終盤演出のミスかタイミングが合わなくて同じの2回流れちゃったけど)
ギルベルトさんの語り聞いてるとめちゃくちゃ心落ち着く、私にも紅茶入れて欲しい

 

ザップは凄い、もうそれしかないです。
というか今回の舞台ザップがいなければ成立しなかったのでは…というくらい全体の雰囲気を作るしコメディ担当も欠かさないし活躍度合いがすさまじい。まさか光るマグナムまでやってくれるとは思わなかった。
チンピラ感ある戦闘アクション、師匠の代弁時の嫌そうな声、客降りの頻度(多くない!?)どれも良かったー!滑舌がいいのか、日ごろ耳にしない陰毛大王とかウスラしっとりさんとかの罵倒語までちゃんと聞き取れました。
作中で一番好きなキャラクターだったのでめちゃいい演技を見られて大満足です。
猪野さん、私の推しキャラ(大倶利伽羅とかザップとかジョーカーとか)を演じることが多いので最近二推しくらいになってきました。
色んな作品で見る度、別人かってくらい印象が違って感心しちゃう。

 

ブロ&ハマーというかドグ・ハマーがスタイル良!!!!足ながっっっ!(長光の時とほぼ同じ感想)
デルトロとの距離感というか信頼が伝わってくる語りが凄く良い、最後ガミモヅ戦終えた後、拳と拳をぶつけ合ってるのみて声出そうになった…!
悲伝ぶりに拝見してかなり演技が自然になってました。最初名前は見覚えあるけど…?って思い出せなかったくらい。

 

ティーブンだけが今回とても残念でした。(以下ちょっと厳しい話)
分かる、アニメが先行している作品だとその声優に寄せたい気持ちは分かる。そして旧ニューヨークが舞台でダンディな男性役、ホームパーティを開いて友人と楽しく談笑し小粋なジョーク飛ばすシーンもある。
でも、それら全てを合わせると、やけにステレオタイプな外国人…というかなだ〇武のやってる通販番組のモノマネ(ディラン)のような、30年くらい前のホームドラマに出てくる吹き替え済みの男性のような、そういう上っ面的な演技になっているように見えました。さらに宮本声に聞こえるか?私には聞こえなかった。
ほんとに一人だけ大げさすぎて挙動が不安定で、全然周囲とマッチしてないです。一緒に戦闘するシーンが多いK・Kの方が上手だから、掛け合いも微妙なテンポになっちゃってる。
あとアクションシーンで蹴り技ではなく殴り中心なのもキャラ解釈としてどうなのかな?と思っていましたが、これは噂レベルですが公演中怪我をされたような話もあってそれならしょうがないか??
初日からまだ1週間たってないですが、これからの公演心配です。
色々踏まえて、登場するたびうーん…と首を傾げてしまいました。ビジュアルは100点。今まではむしろ好きな部類の俳優さんだったのにどうしてこんな…

 

ツェッドは出番が短い中でも、立ち姿が綺麗でとても印象に残ってます。
ザップの軽口にちゃんとついてこれるのイイ!この3人でランチ回見たいなー!寿司食べよう寿司

 

女性陣は全員可愛い!素敵!特にアリギュラかわゆ~~~!動きがほんとに可愛いの!よく踊るから白い手袋が映える映える。
チェインが消えるのはどう表現するんだろうって思っていたら消えなかった(心で感じろ)
人狼大作戦の話が大好きだからいつかやってほしいです。
モブですけどシニョリータっぽいブラッドブリードのお姉さんが綺麗なの、新体操を嗜む長老級。

 

シナリオ、演出について

シナリオ自体は原作なぞりなので特に問題なく。
ただやっぱり詰め込みすぎる&分かりにくい部分も多々ありました。
Day In Day Out(レオが財布すられながらスティーブンがホームパーティ開きながら呪われたザップがネコ探ししながらチェインが飲み比べ勝負する話)って紙で読む分には凄い好きな話だけど目まぐるしすぎて舞台上でやられても困る…
そもそも最後にザップのネコは無事見つかったのか?オチがつかめないまま次のエピソードに行くから頭の中がこんがらがっちゃう。もう少しいい感じにまとめるか、無理にこの話を使わないでほしかったです。
対して終盤の妖眼幻視行はオープニングから丁寧に流れを作れていてよかったです。ミシェーラが回想含めちょくちょく登場してくれるから現実味が増すし。
ガミモヅが義眼を使ってホテル内の人を死んでるのに生きたように見せかけるシーン、沢山いるモブが全員巻き込まれたから!?!?ってなりましたけど、それほどの影響規模がある力なんだって誇示するのにぴったりすぎてぞっとしました。
最後のギリギリのところでライブラメンバーが駆けつけてくれるところとか、光に向かって~のくだり、生で見るとこみ上げるものがありますね…!

 

演出は、先に書いた生演奏のお陰でかなり底上げされたなという印象です。
ザップに呪いをかけた娼婦の女の子が、舞台からはけずにピアノの前に座って演奏はじめたのには驚いた!すごい多芸な方だ…!こういうところは好き。
セットのあちこちが印象的に赤く塗られていたり、血をリボンや布で表現したり、ザップとツェッドの武器が不気味に輝くのが普通の街じゃないんだな、と思わせてくれてよかった。
それでも要所要所でいらないなこれって部分も多くて。
特にスティーブンが銃を構えた元友人に包囲されるシーン、10人くらいの敵が1台詞ごとに銃を下ろして立ち位置変えてまた銃口を向ける…とか戦闘中なんでしょ?あまりに緊張感がない…
終盤車いすに座るミシェーラの傍でレオとガミモヅが戦うシーンも、謎の白い妖精みたいな衣装のアンサンブル女子たちが目まぐるしく車いす押してはミシェーラの立ち位置変えるものだから、心の中でいや落ち付けって!そこにいろって!!って突っ込んでしまった。

 

特に嫌だったのが、ミシェーラが簡単に立ち上がってしまうところ。
彼女のアイデンティティとして足が不自由な中生きてきたって点があるはずなのに、レオと2人の場面、会話の最中回想シーンに移る時に車いすから立って自分で歩いて少し前方に寝そべるの。
今の時間軸から回想シーンへの移行とか、その後横で寝転ぶレオに亀の騎士の絵を示して話をしなきゃいけないとか(原作も確か寝てる絵だった)とか分かるんだけど、分かるんだけど…歩いてほしくなかったっていう厄介なオタクの気持ち…汲んでいただけますか…こういうときこそアンサンブルで隠してよ…
これはご本人の演技の問題かもしれないけど、「足だけが動かない時期」と「足に加え目も見えなくなった後」で演技に違いがなかったのもちょっと気になりました。
ホテルに入ってレオを見つけて名前を呼ぶ…ってあれ!?見えてないんだよね!?と混乱しそうに…うーん…見えてない感がもう少し欲しかったです。

 

後はセット移動が激しいとか、アクションシーンが多いとかはこれまで見てきた西田さんの舞台と共通する点でした。それもこれも音楽の力で上手く中和されたので、音から伝わる力ってすごいなあと再認識。
アッこんなに生演奏&アニメ色無しを絶賛した後で言うのもアレなんですけど、ランブロでも個ブロでもいいから1期EDの衣装での各キャラクターが見てみたいので次回あったら金を払わせてくださいお願いします…

 

その他

物販の並びはそこそこ普通、開演前30分くらいが一番混んでるのでそこを外した前後がいいかも。ランブロ5枚買って2枚同じ柄が被ったので隣のお姉さんと交換してもらいました。
今回特典ありのプレミアム席での観劇でした、ただ左右ブロックだと投影関係の見え方がなー、お金積んでるんだし前方席じゃなくてもいいからセンターブロックだけがいい(強欲)

ちなみに今回のプレミアム特典グッズはフルカラーキャラフォトブック!ランブロに入ってるみんなの食事風景まとめ(別カット?)といった感じでこれが凄く良かった!!もう全部の舞台これにしてほしい!!缶バッチとかトートバッグより写真集とかインタビュー集が欲しい、大切にします。

 

原作への思い入れが強すぎてやや厳しい点ばかり書きましたが、全体として見に行って良かった!です。
キャラクターの再現度ももちろんですが、世界観を体感できたことが幸せでした。もし次回があればぜひ行きたい!!

 

久しぶりの銀河劇場はやっぱり若干遠かったな~~(りんかい線で行くな)
開演前の時間つぶし&昼食にビーナスフォート行ったんですけど、天王洲アイルまで一駅じゃないですか。
地方民ゆえ土地勘が無いので「天気もいいし海沿い歩いていくのもいいいかも~」なんて言ったら友人に苦笑いされました、まさかトンネル挟んでるとはね。お台場奥深いわ。

 

次は12月のP5舞台の予定です。ロイヤルも届いたし復習しないと!
あとはヴェスペリアの舞台を見に行くかどうかでちょっと悩み中です…これまた銀河劇場じゃん!好きなの?いや嫌い…二階席三階席ひいたときの絶望感すごいし…