夜間飛行

アラサー女のオタク生活記録

舞台「ヨルハ Ver1.3a」感想※ニコ生視聴 2号がA2になるまでのあなただけの物語

こんにちは、まこです。

NieR:Automataの流れをくんだ舞台「ヨルハ Ver1.3a」、原作ゲームシリーズが大好きなので本当は現地に行きたかったんですが、都合がつかず残念に思っていたところ、友人からニコ生昼夜通しチケットを頂いたので家で正座して見ました!

実際見てから今までかなり時間が経っちゃいましたけど備忘録的に感想を。

マルチアングル配信って見たことなかったので、自分で好きなアングル切り替えるスタイルなのかな?と思ってたら、配信元でいい感じにカメラスイッチしてくれるタイプで、もうほぼDVDと同じ感じでしたね…!リアルタイム配信なのに凄い技術だ

 

yorha.com

以下完全ネタバレ感想&DOD・レプリカント・オートマタプレイ済みなのでゲームネタバレも多少あるかもです、ご注意ください。

また、少年ヨルハや音楽劇は未視聴ですのでそことの比較は出来ないです。

 

シナリオについて

きっっっっつ!

分かってはいたけどきっっい!!

オートマタの前日譚にあたる真珠湾降下作戦、作戦参加メンバー殆どを失いA2だけが生き残った戦いの詳細を描いたお話。これまで女性だけで演じたバージョンもあったようですが今回は男性のみの出演。

最新鋭の機体であるヨルハ部隊の残存兵と、数百年前から地上に残って抵抗を続けたレジスタンス部隊が協力し合い、人類のために決死の作戦へ挑む。

レジスタンスがお互いを想いあう文字通り「家族」のような関わりをしているように見えて、目を閉ざし名前すら持つことを許されないヨルハ達はどう思っただろうか。

言葉にはしなかったけれど、作戦遂行においてヨルハ達が一人また一人と欠けていく理由が、先へ進む2号含めた仲間を導くため、っていうところで強いつながりを感じました。

ヨルハ達、そしてレジスタンスたちが仲間を守るためその場に残り、決死の自爆をしたりこれ以上被害を広げないために仲間に自身の殺害を依頼したりなど、キャラクターに訪れる死がほぼ悲しい結末なのがつらい…ウィルスに汚染されると自我を失うって設定普通にえぐいし終盤コアを移植した16号達が出てきたときはひってなった…

援軍も無い中どんなに酷い状況でも、心臓に手をあて、『人類に栄光あれ』って言葉を口にし続けることは、自分たちが人類のために作られた機械人形であり、この作戦の成功が人類を勝利に導くことを誇りに思えるから。

その作戦自体が限界環境を生み出し次代のアンドロイドに情報としての経験を譲り渡すためのダミーだったと敵から聞かされて、さらに電波遮断がされてそのデータさえも送信できないとなればほぼ無駄死に状態…自分を守るために命を散らした仲間たちの死すら意味を持たなくなってしまう。

そんな数多の犠牲をくぐり抜け、最下層で待っていた赤い少年から作戦の真実を知らされたことで、やる時はやるけど若干弱腰だった名前も持たない2号がA2として覚醒してしまうのも切ない、さっきまでと全然戦い方違うじゃん…やだ…

あまりに救いがないせいか、途中の場面転換で笑いを入れてくれたりとかありましたが正直しんどいが過ぎるので休憩欲しかったです。テンポ悪くなるからダメ?

2号が眼帯を捨てて立ち去って行った先、続く未来(オートマタ)に更なる地獄が待っていても、きっと彼は行くんだろうな。

どこかのインタビューで、オートマタの2Bや9Sが眼帯を付けている理由は真実から目を背けさせるためだって聞いた覚えがあるので、作中で眼帯を外す機会が一番多い16号はバンカーへの反抗心が強い=真実に近づいているってことだったのかな…?なんて、綺麗な顔を見せて去っていく2号を見てふと思い出しました。

 

キャラクターについて

全員大好きだけどわたしは!!!21号とアネモネさんが!!!好き!!!

21号のあの妙に着ぶくれした感じ、手の先まで綺麗なのに全部隠してしまうのずるい。目隠し取った時の白い眉と若干ほどこされた化粧にドキッとした

機械人形だから化粧というよりはデザインとして最初から瞼にアイシャドーが刻まれてるのに全く違和感がない、骨格は完全に男なのにどこか儚い作り物めいた美しさを感じました

そもそもヨルハ全員目隠し状態なのに隠しきれないほど顔綺麗なの凄くないですか…美の暴力、中でも小南君は美しい…

スキャナーモデルという立場上けっこう長台詞も多くて、冒頭の2号への煽り?のところとか甘噛みしつつ…って部分もありましたが、配信された昼公演と夜公演を比べても、夜の方が断然スムーズな台詞回し出来てたので後半の公演ではもっと良くなったでしょうね!

アネモネさんはゲームに出てきたアネモネへ繋がるってことでいいんですかね? 調査兵団顔負けの二刀流といいアクションが派手で整ったお顔も相まって見栄えがする!松原 凛さん、なんかこう一筆奏上しそうな、殿的な顔立ちで推せる

21号とアネモネの関係性が、こちらが思っていたより近くてびっくりでした。アネモネはウイルス汚染が進む21号の様子をちゃんと観察していて、21号はそんなアネモネに命を預ける決断ができて。でもいざその時が来たとき、躊躇う時間もそこそこに反射的に引き金を引いてしまったアネモネの悲鳴が切ない…

あとリリイ可愛いーーーー!!!!!!!腕が細い!!そりゃ姫ポジにもなるわ!!!絶対守ったる!!!愛玩要員でショタ人形を囲うなんて絶対に許されるわけないです粛清です脱走兵の皆さんの決断は間違ってない。俳優さんまだ中学生?なのにきちんと感情込められてすごいです。

我儘を言うなら他のヨルハ部隊、特に4号の話をもっと深堀してほしかった…!深手を負いながら自分の命を差し出して地下施設を爆破する、その決断が出来るまでの気持ちとか知りたかった…、ななめ眼帯と白い髪紐も最高。

アコールは100%好き(言い切り)

不死身キャラなのに、痛みに苦しむところも死を恐れるところも諦めないところも全部好き。開演前の前説は世界を俯瞰する立場としての…ってことなんですよね。こういう第三者目線のキャラクターが無双しすぎないさじ加減ってすごいと思う。

よく考えるとメガネなんて非効率的な装備を付ける必要があるように見えないし、あれはファッションメガネ…?情報を共有する個体が複数存在するためか、過酷な環境下で一人だけやけに衣装が真っ白で浮いてるのがいい。

バンカー二人組もやーばいですね

司令官(ホワイトさん)、ゲーム内の美人司令官と同名ということは、これまでも何度もクリーニングを自身に施してはヨルハ他部隊員に対する感情を抑えてきたんだろうな…ワカバくんの進言をどんな気持ちで聞いてたんだ…序盤の融通きかない分からず屋からの印象の変わりようが凄い。

司令官の決死の訴えを聞いて泣いた上にさらにクリーニング後のあっけらかんとした顔を見てもう一度泣きました。ワカバほどじゃないけど(彼の泣き演技が本物過ぎてびびった)あとお揃いの服の裏地金色なのめちゃ可愛い。

他にも2号の最後の変貌ぶりと絶対領域とか、どんどん本数が増えていく敵の皆さんとか、赤い少年の脅威の複数人格とか見るべきところ沢山で一回じゃ満足しきれない…!

レジスタンスはただのモブ程度かなーと思ってたらもうもうガッツリ話に絡んできてて驚きました。俳優陣殆ど初めてみる方ばかりだったので、名前を覚えておこうと思います。

 

演出について

今はやりのプロジェクションマッピング活用。それに加え、紗幕の使い方が上手で画面越しでも遠近感が伝わってくる。

序盤のヨルハ部隊その他が墜落される辺りとか見たら恐怖で心が潰れる月など若干投影の使い方チープだな…って箇所もありながら、リリイ除去の背後の画面(ゲーム内で9Sがやるシューティング)とかエンドロールの出し方とか好きな部分もたくさんありました。

セット替えはそこまで頻繁ではなかった印象。アンサンブルのダンスも良かったー!特にエンドロール時の汎用ヨルハ部隊ぽい衣装でのダンスが好き。

生演奏はきっと会場で聞けばもっと感動するんだろうなーと!そこだけはやっぱりPCでの観劇では限界があるね。

私ニーアの曲の中で「オバアチャン」が一番好きなので、途中の印象的な場面でかかってくれてありがとう…悲しい…

あとはこれは勝手な考えですけど、ヨルハの皆さんがあんな可愛いカッコいい黒喪服系衣装なのに、敵のアンドロイドの衣装がフードにスウェットみたいな?めちゃくちゃスポーティというか場違い感があって、ちぐはぐな感じを受けましたけど狙いか…

 

その他

配信なのにカテコ+終演後のキャストトークまでつけてくれるの超お得!!!

もっと早くブログ書けてたら販促に繋がったかもしれないけどチケット販売は7/31まででした…DVD化早くお願いします!もうこうなっていくと少年ヨルハも女性版も見たいよー!

公演名ヨルハ Ver1.3aってことは3bもあるのかな?キャストシャッフルとか??と思っていたけど今現在音沙汰はなさそ…?どんな形であれ次回に繋がるといいですね!この世界観で別の話がまた見たい!!

大好きなゲームの舞台化を目にすることができて、本当に貴重な体験でした。

サムネ用の画像何かないかなーとフォルダを探したらプレイ当時のクリアタイムスクショが出てきたのでこれを。

f:id:arymaple:20190803165348j:plain

 

次は幽白…はチケットが取れなかったのでこっちもライビュに行きます。

生で観劇はいつになるかなー、血界戦線に加えてペルソナ5の舞台も気になってるのでチケ取りチャレンジする予定です。

それではまた!

「最遊記歌劇伝-Darkness-」感想 三蔵とヘイゼル、それぞれ対比する価値観

こんにちは、まこです。

f:id:arymaple:20190607150905j:image

6月6日、最遊記歌劇伝新作公演見てきました!久しぶりの初日!

www.clie.asia

 

 

鈴木さんファンとしてずっとずっと楽しみにしてきた新作公演、初日から観劇できて幸せです…!

 

原作は漫画履修済み、舞台もこれまでの公演は全て見た上での感想です。

がっつり内容のネタバレしますので、観劇予定の方はご注意を。

 

 

全体として

次までの引きが!ひどい!!こんなんすぐ続き見たい!!って感じです。これで来年の公演が決まってなかったら暴動起きるレベル。

最初にgo to the westのイントロのジャーンジャーンが聞こえた瞬間めっちゃにやついた、あ、これ最遊記だって。

挨拶後のリプライズでいつもの曲にヘイゼルが混じってくるの鳥肌ものでした、法月さんの歌が上手いから余計に…!

ヘイゼルの過去と三蔵の過去、生きることと死んだ人、人間と妖怪、いろんな対比要素を入れながらもどれもちゃんと分かりやすく提示してくれて、すっと胸に入ってきました。もちろんシリアスだけじゃなく、要所要所のスターウォーズ風説明とかミュージカル押しとか笑ってしまうw

 

まだ公演開始後すぐだからか、ところどころ歌詞が聞き取りにくかったりハーモニーにうん?ってなる瞬間もあったので、そこは追々レベルが上がると良いな…!

ちょっとセット移動が目まぐるしすぎる感じがあったり、唐橋さんのお遊びシーンが多かったり(私は好きですけど初見バイバイすぎる)気になる箇所も全くないわけではないですが、全体として私が見たかった最遊記の続編だ!と満足できました。光明三蔵の使い方も好き。

休憩なし2時間にしてくれたのも、様々なエピソードを繋いでるこの感じで途中現実に戻されると最後までもたないな、って思ったのでちょうどよかったです。

 

 

各キャラクターについて

いやーヘイゼルが!よかった!!

法月さん初めましてなのですが、歌がうっっまい!殺陣もばっちりこなせてるし台詞回しも問題なく、むしろ胡散臭い関西弁だからより存在感が際立ってすごい…!

所作も綺麗で、帽子に触れる仕草とか、段差から降りるとき・腰掛けるときに律儀にふわっと裾を摘んでくれるの好きすぎる…!

あと途中、指をぱちんと鳴らす瞬間があるんですけど、ヘイゼルって白手袋してるからその直前に片手だけ脱いでくれるんですよ…!男性が手袋を脱ぐ仕草大好きで大好きでたまらんのでそこだけでテンション爆上がりです。

 

キャラクターとしても、同じく師匠を失った三蔵との対比もいいし、妖怪・モンスターへの憎しみや途中で悟空に見せる歩み寄り、そこから烏哭に再会して斉天大聖を認識した後の変化とか、同じようなトーンで話してるのに少しずつ変わっていく様子が見応えありました。

あと命をやり取りする時の背景エフェクトが綺麗で!ヘイゼルが手を伸ばす度小さな光の粒がふわっと舞うの綺麗だ…!

ガトとのやり取りも他人に対するのより少しだけ距離が近くていいし、ほんと期待以上のヘイゼルでした!eternityって曲が好き。

 

 

三蔵一行は安定感あって好きーーもう大好き!

拡樹くんは久し振りに地毛じゃなくてウィッグの金髪だった。綺麗な横顔だろ?みたいなセリフがどこかであったような気がするけどほんとそれなって頷いてしまった。

ヘイゼルと合流したことでツッコミ要員が追いついてなくて、ボケる度あちこちぶっぱなしまくってたのが可愛くて好きです。

殺陣はいつもより控えめだったけど、他の和装キャラの時より法衣の下で大きく足を広げてたり、ワイルドな感じを残しつつ要所要所の背中を向けてからの振り返り方とか最後襲われ倒れた悟空を離さないところとかあっこれぞ三蔵という…!光明様の幻影が見えそうで見えないところのマイムめっちゃ好き、自分でセット動かしちゃうところも好き

 

悟空はいい意味で全然変わってなくて、ぴょんぴょん飛ぶところとか悟浄との掛け合いとか最初に出てきた瞬間から最後までずっと悟空だった。鯛ちゃん本当にありがとう

妖怪の子供や死んではまた復活を繰り返すガトにためらいなく手を差し伸べられるところ、精神力が強すぎる

斉天大聖に覚醒してしまった時の表情や動きがまたがらっと変わって、妖怪っていうよりも神に近い存在っていうのにめちゃ納得してしまった…

あと今までの振り返りとして三蔵が悟空を迎えに来るシーン(ウルセェんだよ)が何回見ても好き、全ての始まり、原点って感じで…オアシス終わったらなんとか、なんとかこのキャストで外伝舞台化して頂けないでしょうかお願いします何でもします何公演でも入りますから…!

 

八戒は今回ふっきーさんじゃなくてさいねいさん(戦隊モノとかドラマとかでは見かけてました)、始まった時の歌が結構ブレててひやひやしてましたが、ラストあたりではかなり持ち直してたのでビジュアル含め八戒らしかったー!

悟浄と八戒が2人で会話するシーンもいっぱいで、私あの八戒が幸せな将来を語るシーンが刺さりすぎて思わず泣きそうになりました…いろんなものを乗り越えた上で今がある八戒にとっては、死を簡単に否定できてしまうヘイゼルの存在が一番許せないのかもしれないなぁ

いいコンビ、いい相棒、色々決着がついたら、八戒と悟浄はお互い持ちつ持たれつの良い距離感のままお互いにたまーに酒を片手に会う程度で、平和に暮らしてほしいな…

 

烏哭さんというか唐橋さんというかもうあの辺りは文字で感想を起こせるものじゃないー!温度差がありすぎて風邪引くくらいのコメディとシリアスの落差よ

一番好きなのはヘイゼルとのバー(?)のシーンかな、親身に聞いている風を装ってヘイゼルに背を向けた瞬間会話の全てを記憶から消し去ってそうというか、興味がないのにあるふりをしている空虚さというか、語り口調含めてああ烏哭ぽいなと…いつ見ても彼の漆黒の法衣に肩の経文が浮いて見えるね…虚無を背負うってなぁ…

 

 

その他

会場は初めてのヒューリックホール東京、先行全落ちして一般に張り付きB席サイドブロックだったのですが、ステージまでの距離はあるものの一段ごとに段差があるおかげで視界はクリア、オペラグラス持って行ったので文句なしでした。冷房はめちゃ強だったのでカーディガンは欲しかったな…!

ただ前方席は段差なし互い違いにもなってないのでもしかしたら見にくいかも…椅子はふかふかでした。

 

開演前、物販列と次回公演の先行抽選整理券列とが形成されてて、ちゃんと分けてくれたので迷うことはなかったですがロビーが人でパンッパンになったのでもう少しやり方を考えてほしい…あとなんであんな物販進み遅かったの?電子決済導入してたから?開演1時間前に着いても間に合わなかったです、終演後にちゃんと買えたのでよかった。

 

久しぶりの最遊記、とってもとっても楽しかったです。ただ周りにチケット買えなかったなーって友達が多かったので、キャパか公演回数がもっとあったら良かったなって思いました。平日昼公演もう少しくれくれ

 

 

次は幽遊白書!うそでしょなんでそんな古い作品舞台になるの!!?

公式先行とfcが外れ、これを書いている今はまだチケット取れてないので、当選の女神に日々お祈りしています。どうかーどうかー

あと原作ファンなので血界戦線舞台も見たいです。ソニックはぬいぐるみか、背景投影か…

舞台「PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice」感想 スーツ男子は宝

こんにちは、まこです。

f:id:arymaple:20190607151045j:image

舞台サイコパス日本青年館)見てきました!

公式サイト

psycho-pass-stage.com


以下思い出しながら書くネタバレ感想です。

原作自体はアニメ一期をちらっと見ていた程度、システム系の設定を知った上での観劇です。

 

とにかくスーツがいい
スーツ職場なのであまり外見上は違いないかと思いきや、それぞれキャラクターごとの着こなしで差別化計ってて、ほぼ最後列からもちゃんとどのキャラかわかるのがすごい!(背の高さがかなりまちまちなのも理由かもしれないけど)
スーツでアクションって身動き取りにくくて結構大変だと思うんですけど、その辺りも違和感無く見ていられるんで衣装さん素晴らしい。
ちょこちょこ脱いだり監視官の上着着たり色々変えてくれたものメリハリ効いててよかったです。
私、スーツを着てる男性の仕草で好きなところナンバーワンが椅子に座ったとき外していたボタンを立ち上がるときはめ直す指の動きなので、和田くんがこまめに閉めてくれるのめちゃめちゃ萌えました、
ついさっきまでワイシャツが見えてたのに、すぐスッと前閉めちゃうのよくないですか?キャラ作りとしてそういう気配りできるタイプなんだなあとわかっていい。

 

舞台演出がわかりやすい
半分以上固定セットに対して、流行りのプロジェクションマッピング投影で場所表現する形だったんですが、世界観として近未来、サイバー感があるおかげで全然違和感なかったです。セット移動もスムーズで、大掛かりな変更の時はスクリーンで隠したりと途中で気を取られることはなかったです。簡素な椅子と机だけで十分背景が想像できる。
テロリスト達の犯行声明時の投影とかは普通にあるあるな演出で、そこに加えて九泉と嘉納がエレベーターを待ってる時の監視カメラ?とか、パソコン画面を覗く様子だとか、進み過ぎた情報化社会を見てわかりやすく表現してくれてたのが面白かったです。
特に、演者がマッピングの前に立つときに目立たせるためスポットライトで照らすのが、刑事物のサーチライトに見えて二重に良かった。
あ、でも、始まるよーってアナウンスの後、舞台全体に投影してたマトリックスみたいな数字の羅列を眺めてる時がめちゃくちゃ長く感じたの思い出しました…多分3分もなかったんですが、現代人あんな放置されたらすぐスマホ取り出しそうになるよ、電源切ってて良かった。

肉弾戦アクションも見ごたえがあって、特に打撃音?効果音?があんまりおおげさじゃないのが近未来感にマッチしてて浮いてないのがすごい。池田君すごく軽やかに動くの…!

 

シナリオについて、嘉納くん…
気づきや成長、その上での最後の選択含めて主人公は九泉に間違いないけど、嘉納の報われなさもすごい。
監視官になれるくらい色相が改善するなんて素晴らしい結果を出せたことを誇りに思って働いてきたのに、それが故意による嘘で、それなのに周りは執行官の希望として扱うし結局仕事もこなせちゃうしで地獄でしかない。色相悪化者でもこなせる=今のシビュラシステムに意味はあるのか?って疑問に繋がるのは当然。
きっと展開を知った上でもう一回見たら、セリフや仕草が全然違った風に受け取っちゃうんだろうな。チケット余ってたら何回も見たかった。BD予約しました。
九泉は九泉で、エリートコースを進む中で母殺しというトラウマに悩まされ、それでも正しいと信じるから監視官として働いていたのに、その根源の記憶そのものが偽物だったっていうのが……
九泉は母殺し以外の記憶は従来の自分なのかな?それともそこだけじゃなくて全てが上書きされて以前の自分は残っていない?
もし全て他人の記憶だとしたら、全く別人の人生の続きを歩く九泉と、あくまで自分は前と変わらず、周囲からの評価だけが変わった嘉納とが正反対に思えて切ない。

鈴木さんの叫び絶望演技とクラシックの親和性が高すぎて鳥肌止まなかったです。一緒に海に行ける未来欲しい…うう…
あ、裏切り者は目白さんだと思って見てました。

あと、シビュラシステムに支配され、職業も何もかもを決定される世の中で、そのあり方に反抗し自由を求めて声をあげた人たちって、元を辿れば親や近親者が刑事で幼少期から刷り込みを受けて育ったからそういう思考になったわけで、結局自由でもなんでもないんじゃ…?ヒューマニストを名乗る割に自分に自由が無いよね。

井口はじめ、あからさま過ぎて引くくらいの死亡フラグの乱立と怒涛の回収とか、大城と嘉納のやり取り(幼馴染イイネ)とか中国語の部屋の分かり易さとかその他色んな好きポイントあってすごく時間が短く感じました。
パンフレットに執行官全員がなぜ潜在犯になったのか書いててすごく面白かったからぜひ読んでみてほしいです。ホームページとかに乗せておいてほしいくらい!

最後の光の中で、三係が笑って合流するのいいね。泣いちゃった。
ちょくちょくアニメ版のキャラとか事件が混じってくるのがその世界にみんないるんだ感あってとても良かったから、たとえばアニメ三期で(キャラは出さなくていいから)机の上の書類に昔こんな事件があったよ、みたいな記載があったらオタクとても嬉しい

機会があったら本当にもう一回見たいです!
ライビュあるんだよな…ソワ…

オリジナル脚本ってほんとにいいですね、勿論原作再現舞台も大好きですけど、ここでしか生きてないキャラクターたちが必死に足掻く姿が心臓に来る。良い物見たなぁ

 

物販は開場直後に行ったら全然並びませんでした。ランブロ10枚買ったら同じキャラが4枚被って笑っちゃった。
初の新青年館、会場入り口からホールまでの距離がめちゃすぐでびびりました。大きな窓があって気持ちよさそうないい会場でしたー。そういえばトイレ行かなかった!座席が前後互い違いだったらもっといいのに…

 

次は最遊記!ゆったりしてたら先行段階でチケット取れなさ過ぎて、一般に齧りついて何とか一度は観劇できそうです。

 

それではまた!

舞台「どろろ」感想 アニメOP曲のイントロが頭の中でループする

こんにちは、まこです。すっかり春ですねぇ

舞台「どろろ」東京公演(池袋サンシャイン劇場)見てきました!

f:id:arymaple:20190607151145j:image
公式サイト

www.dororo-stage.com

 

以下ネタバレ感想です。
私は原作について今やってる段階までのアニメ知識しかなく、未読のまま観劇に臨みましたので、その先の展開など認識が違うところがありましたら申し訳ないです。

 

まず鈴木さんの鬼気迫る殺陣が強く印象に残りました(推しのひいき目含む)
キャラとして殆ど喋れないから、表情や体捌き、腕の運びで全部表現するしかない中で、最初と最後を比べると随分人間的になったなと…!
腕を取り戻した後、今までの仕込み刀から腰の刀での殺陣に変わるところが好き。やけに優雅な動きなのが血筋感あっていいなぁ

完全なる親の都合で満足に生まれてくることもできなかった理不尽に対する怒りとか、許したとして体を諦めるつもりもない生の執念とか、言葉で説明するのも大変ないろんな感情が見えて胸が苦しくなりました。
特に途中の、寿海を自分なりの名前で呼ぶシーンで百鬼丸なりの親愛みたいなものを感じて……そこだけは堪えきれず泣いてしまった 

全体通して運動量が尋常じゃなくて、というか出てくるシーンほぼすべてで殺陣してたんでは?ってくらい動き回ってていつかぶっ倒れるんじゃないかと心配になりました。
前方席だったのでびっしゃびしゃに汗かいてるのとか、そこを拭きすぎて最後胸元赤く腫れちゃってるのとか見えておお…からだをだいじに

 

あとどろろ
百鬼丸が(最初は)見えない聞こえない喋れない立ち位置なので、どろろが癒し兼お話回しで終始元気よく見てて気持ちよかったです。本当に低年齢の子が演じるには荷が重いくらい出番たくさん。
北原里英さんは初めて見ましたが可愛い!汚し衣装から伸びる手足が細いー写真よりずっとかわいかった

 

両親含めた醍醐の皆様はなぁ……やったことは人道的に許されるべきではないけど、途中で意見を翻すのではなく終わりまでそれが私たちの信じる正義なのだと貫いてくれたのはいっそ潔くて良かったと思います。
設定が把握しきれていないせいかもしれないけど、鬼の皆さんけっこう気軽に交渉に応じてくれるの優しいね?景光様からの多宝丸でへへへまたいいカモが来たぜしゃぶりつくしてやろう位の感覚なのか?
むしろ天変地異を抑え込めるくらい超常的な力を持つ存在が近くにいることの方が恐ろしいような気がする。
景光様の殺陣は重心が低くて武士!って感じが分かる~~、一対一の戦いでは勝てても、やはり戦いは数とタイミングが重要だから最後には押し負けるのが乱世
あと多宝丸のノールックたすき掛けが好きです(大声)めっちゃ練習したんだろうな、有澤くんの好感度が爆上がりしました。

 

演出について
アンサンブルによるイメージシーンと舞台セット移動、挿入歌の回数多すぎィ!
最初は、アンサンブル女子がタイプの違う美人~可愛い系まで揃っててすごいなーと純粋に眺められたんですけど、川流れとか体作り中とか奉納シーンとかとにかく出てくる場面が多すぎて途中から飽きそうに…ごめん
化け物だ!→倒す(殺陣)→女性ボーカル曲に合わせてアンサンブルが踊る→景光様が怒る→多宝丸が出てくると同時にアニメOP流す→戦う(殺陣)→アンサンブルが踊る
ちょっと端折りましたけど全体の流れは大体こんな感じで、言葉で説明しにくいシーンはとりあえず踊ったり挿入歌流したりするのが驚くほど多い、OP曲に至ってはカテコ含めて6~7回は聞いた気がするのでイントロと冒頭の歌詞が頭にこびりつくのが飽きの原因かなと思いました。百鬼丸でた!多宝丸でた!Party is over~~~
セット移動も多すぎ細かすぎで、アンサンブルの方が巫女服で華麗に舞い踊った後平然とセット押してるのとか真顔になるので止めてほしいです。
以上の演出に対しては、2016年の青エク舞台とか2017年の煉獄に笑う舞台とかでも全く同じことを思ったので、演出の西田さんのやり方なんだとは分かりますけどウーン正直ダサい!
細かいセット移動、数曲の主題歌を多用すること、アンサンブルによるイメージ映像のどれか一つであれば耐えられたかもしれないですが、全部をまんべんなく使って3時間上演されると胸焼けがしそうです。

 

最後に内容以外
サンシャイン劇場池袋駅から遠くてしんどいのと、席が互い違いになっていないので前方席で喜んでも前の人の頭でど真ん中が見えないこと多々あり。まあショウガナイ。
物販は土日でも開演前は空いてたし案内もスムーズでよかったですが、東京から追加の舞台写真(ランブロ)の出来がいまいちだったので買わなくてよかったかな…?とちょっと後悔
特典付きチケットで今回はトートバッグと缶バッチと新規写真のチケットホルダー貰いました。
あんまりグッズ収集欲がないので、入場特典はかさばるものより撮り下ろしブロマイドの方が好きです。

 

全体通して百鬼丸の背景が細切れに描写されるので、体を取り戻す個別のエピソードを追えばいいのか復讐をメインに見ればいいのかよく分からなくなる原作予習者向けの舞台だなと思いました。辻斬り話とか一言一句台詞再現する必要ないよー、もっとアレンジしてほしい!
まあ、それって2.5次元原作あり舞台の殆どに当てはまるのでは?と言われればそれまでの感想でした。
出演者の皆さんの演技はとても良かったです!


次は4月のサイコパス!オリジナル脚本とは聞きますがアマプラでアニメ予習するぞするぞ~